2004年10月01日

キャパシタのCVカーブ

久しぶりの投稿ですが、キャパシタの話は今回で終了です。そろそろ飽きてきました。

まず、以下の図を見てもらおう。

CVカーブ

左上の図のようなモデルのキャパシタを考えたときに(今までの図と同じです)、全体の容量としては2つのキャパシタが直列に接続された状態なので、すぐしたの式のようにCoxとCdから求めることが出来る。

さて、順番に考えていこう。まずはアキュムレーション(accumulation)と呼ばれる蓄積状態から。この場合は空乏層が出来ないのでキャパシタの容量としてはCoxだけになるわけだ。これが右上のCVカーブのVgがマイナス側のところになるわけね。
ちなみに言うの忘れたけど、P基板のSiでゲートにかける電圧をVgとするね。そしてキャパシタのゲートに電圧をかけたときの容量の変化の特性をCV特性とかCVカーブという。

次にもうちょっとプラス側に電圧を上げてった場合。これは空乏層ができる領域なので空乏状態と呼ばれる。このときの容量は、左上の1/C=1/Cox+1/Cdの式にその下にあるCox、Cd、Xdを代入していくとでてくる。それが一番下の式である。これによるとちゃんとCがVgの関数になっているのが分かって、右上のCVカーブの空乏状態の部分の曲線がこれに従うことになる。

最後に、さらに電圧を上げていって反転層ができた以降の反転状態。反転層ができるともうそれ以上は空乏層は伸びないのでそのときにCdは最小値をとる。そのときの値をCdminとすると、全体容量も最小値になりCminとなるわけだ。このときXdはXdmaxなのでこの値を使えばCminも計算できることになる。

ここからがちょっとややこしいのだが、反転層ができた後のCVカーブってのは普通2つに分けて書いてあったりする(中には3つの場合もある)。これはCV特性をするときの電源周波数の違い(電圧)によるものだ。一つは高周波もう一つは低周波。高周波の場合はオンオフの切り替えが早いので反転層にキャリアがたまるまでの時間がなくて反転層の容量がないのと同じなのでCminの値のまま。

ところが周波数が低い場合には反転層ができてキャリアが蓄積される時間がたっぷりあるので、電圧を上げるのにつれてどんどん容量が増えていくわけだ。で、最後にはCoxに近くなる。

でも、全体容量のCってのはCoxとCdの直列容量だからCoxを超えることはない。つまりCox>Cってのが常に成り立っていて、Maxは蓄積状態のCoxのところでしかありあえないってのがとっても重要なポイント。

さらに図にはVthってのがあるけれど、これが反転層ができ始める時のゲート電圧である。これってどうやって求めているかというと、空乏状態のところのCVのカーブに接線を外挿してCminのラインとの交点をVthとするというようにしている。このやり方はトランジスタのVthのもとめ方でも使うので覚えておくと良い。要するに、ここからぴたっといきなり反転層ができましたって判別するのが難しいから外挿なんて方法を使うわけだ。

こんなところでだいたい説明は終わったかな。ということでキャパシタンスの話はこれでおしまい。次はいつになるかわからないけど、MOSトランジスタの話に入ります。
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2004年09月14日

閾値電圧

久しぶりの更新です。今回はMOSキャパシタの閾値電圧について。

以前MOSトランジスタの動作の話が出てきたところで、閾値電圧Vthってのが出てきたが、その基になる話である。
そのときも説明したが、ゲート電極に電圧を加えていって反転層ができる電圧が閾値電圧である。

では、以下の図を見てもらおう。

閾値電圧

上の構造模式図とバンド図は今までMOSキャパシタの解説で使ってきたものの流用であるが、図があったほうがイメージしやすいので再掲した。そして、右側のバンド図では今までφとかψなどの文字を使って電位差を表していたが、これをVfとかVsなどに変えてしまってある。

しかし、前からよくわからないのだがゲート電極に電圧を加えて、Vthの話などになるといつの間にかφやψが消えてVってのがでてくるってのが一般的なパターンなんだけど、なんでだろう。片一方はVgとかでもう一方はψとかではいまいちピンとこないからだろうか。とりあえずここでもご多分に漏れずVで統一する。

まず、図の下の最初の式は前に出た式だが、これがゲート電極にかけた電圧がどう配分されているかという式だ。ゲート電極にかけた電圧はゲート酸化膜と基板に配分されて、反転層ができる時っていうのは空乏層がもうこれ以上伸びないっていう最大空乏層幅の時だから、第一項のQsのところはQdmaxが入るわけだ。

さらに、今まで何度も出てきたように反転層ができるときの表面電荷Vsというのは、フェルミ準位の差Vfの2倍の値になり第2項は2Vfになるわけである。

そうすると一番下の式になって、ここでXdmaxをちょっと変えると一番右の式に落ち着く。すると、誘電率とか不純物密度などでVthが表されることになり、これも材料が決まればVfがでるのでVthは計算できることになる。

とまあ、今回はここまで。キャパシタに関してはあとはCV特性の説明をして終わりにする。
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2004年08月30日

直列容量

お待たせしました(とはいっても待っている人はそんなに多くないとは思うが)、超久しぶりの更新です。いまだリハビリから抜け出せない状況ですが、オリンピックも終わったことだし、徐々にスタートしていきます。

現場の匠の技のような話だと比較的入りやすかったりするが、再スタートが物理の勉強のままだというのが、これまた億劫になる理由の一つであったりする。まあ、しかたがない、この手の話が終わるまで我慢するしかなかろう。

さて、前回最大空乏層電荷が終わったところで、今回からいよいよCV特性に入るといいましたが、まずはその準備段階でMOS構造のキャパシタンス容量の話から始める。

以下の図で説明しよう。

直列容量

まず左上のMOS構造の簡単な模式図から。構造は左側の網掛けがゲート電極(Poly SiやAlなど)で右側の点々がSi基板となっていて、あとは図に記してあるようにゲート酸化膜がサンドイッチ構造にされていて、Si基板側に空乏層ができているといった状況だ。

このときのゲート電圧をVgとしてSi基板側はグランドに接地されているとする。

この場合MOSキャパシタの容量(正確に言うと単位面積当たりの静電容量なのだが省略して容量とする)はどうなっているかというと、図の下にある記号で表したように、ゲート酸化膜の容量と空乏層の容量が直列に接続された容量になっている。

このときのゲート酸化膜容量は右上の式のように、誘電率とゲート酸化膜厚Xoxで計算できる。また、空乏層容量は誘電率と空乏層幅Xdで計算できる。

ちなみに図を見ると分かるのだが、ゲート電圧Vgはゲート酸化膜にかかる電圧VoxとSi基板にかかる電圧Vsに分散されていて、Vg=Vox+Vsってな関係になっている。

今回はやみあがり状態なのでここまで。次回に続く。次回は反転層が形成されるところの閾値電圧の話かな。
posted by ピッコロ大魔王 at 10:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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