2004年04月07日

不純物半導体

さてさて、不純物半導体である。
これも、言葉の通り不純物が入っているのである。というのはSiに対して不純物なのであるからSi以外のものが入っているのだ。Siは原子番号14番の物質で一番外側(最外殻)の電子が4つあって、それを使っておのおのが共有結合している。まあ、この辺は中学ぐらいの理科の記憶がないと話が通じないが、わからない場合は「電子軌道」とか「共有結合」で検索すればいろいろ引っかかってくるんじゃないかな。
で、このSiだけでできている格子のなかに、ポコッと違う種類の原子が入るわけだ。その種類として一般的なのはB(ボロン)原子、P(リン)原子、As(ヒ素)原子がある。
BはSi系列の原子と比べると1個電子が足りない。つまり一番外側に3個しかない。これがSi結晶の中に入るとどうなるかというと、こうなる。

p型

実際には格子の中に組み込まれてしまうから、電子のない場所が1箇所だけできてしまうことになる。この空孔のことを正孔などと呼んだりする。まあ、+(プラス)の電荷を持った電子と同じような働きをするものができるわけだ。こいつは自由に動き回ることができて、電圧をかけると、−(マイナス)のほうに向かって動いていくことになる。こうするとまさに半導体の導体の役目を果たすことになる。通常この正電荷のことをホールって呼んでる。こんな感じでホールができるような不純物の入った半導体のことをP型半導体と呼ぶ。

一方、PやAsがSi結晶の格子の中に入るとどうなるかというと、こうなる。

n型

この場合は、P型半導体の場合と逆で、P(リン)などはSi原子の系列からすると1個電子が余分。だから、格子の中に入ると4つの電子で共有結合し、かつ、電子が1個あまることになる。その結果、そのあまった原子は自由に動き回ることができるようになり、電圧をかければ、+の電極のほうに動くことになる。はい、これでこちらも電気が流れることになり、導体の出来上がり。このような電子が余計にある不純物半導体をN型半導体と呼ぶ。

注意しなければいけないのは、P型とN型ではホール、電子の電圧をかけたときの動きが逆であるから、電流の流れる方向が同じでも、物が動く向きは逆であるということ。この物のこと(ホール、電子)のことを総じて、キャリアと呼ぶ。運ぶものってな感じのイメージかな。

P型、N型半導体だとか言っても、実際にはPタイプの不純物(ボロン)だけとかNタイプの不純物(リン)だけが入っているということは少なく、多くの場合どちらも混入していて、それらが相殺されて最終的にどっちが多いかということで、P型半導体かN型半導体かに決まることになる。だって、ホール(正孔)と電子が出会ったら合体して何もないのと同じことになるから。まあ、ほじくったねんどの穴にねんどを詰め込んで、痕もなく消えてしまうようなイメージね。
ちなみに、今はNタイプの不純物としてはAs(ヒ素)はあまり使われていないと思う。

まあ、厳密に言うと、エネルギーバンドが曲がってとか、下がってとかで、電子の相対的エネルギーが上がるから励起されている電子が増えるとか何とかいうめんどくさいこともあるのだが、この段階ではホールができるとか、電子があまっているとかイメージすれば十分だろう。

ちなみにこの不純物原子そのものの物理的性質でいろいろ面倒なことやら、面白いことも起こるのだが、その手の詳細は教科書でじっくり勉強してもらうしかない。原子の重さが重いB(ボロン)は拡散しやすいからうんぬんとか、ね。もしかしたら、後で熱処理工程のところで軽く説明するかもしれないけど。

こんなところで、不純物半導体の話は終わりで、半導体の種類の話は一区切り。で、次は普通の教科書とは違って、いきなりトランジスタの加工の話になる。これは自分がど素人に講義していたときにやった順序である。でも、その前にどうやって不純物を入れるかぐらいは最初に説明するべきかな?つづく。
posted by ピッコロ大魔王 at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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