2004年09月14日

閾値電圧

久しぶりの更新です。今回はMOSキャパシタの閾値電圧について。

以前MOSトランジスタの動作の話が出てきたところで、閾値電圧Vthってのが出てきたが、その基になる話である。
そのときも説明したが、ゲート電極に電圧を加えていって反転層ができる電圧が閾値電圧である。

では、以下の図を見てもらおう。

閾値電圧

上の構造模式図とバンド図は今までMOSキャパシタの解説で使ってきたものの流用であるが、図があったほうがイメージしやすいので再掲した。そして、右側のバンド図では今までφとかψなどの文字を使って電位差を表していたが、これをVfとかVsなどに変えてしまってある。

しかし、前からよくわからないのだがゲート電極に電圧を加えて、Vthの話などになるといつの間にかφやψが消えてVってのがでてくるってのが一般的なパターンなんだけど、なんでだろう。片一方はVgとかでもう一方はψとかではいまいちピンとこないからだろうか。とりあえずここでもご多分に漏れずVで統一する。

まず、図の下の最初の式は前に出た式だが、これがゲート電極にかけた電圧がどう配分されているかという式だ。ゲート電極にかけた電圧はゲート酸化膜と基板に配分されて、反転層ができる時っていうのは空乏層がもうこれ以上伸びないっていう最大空乏層幅の時だから、第一項のQsのところはQdmaxが入るわけだ。

さらに、今まで何度も出てきたように反転層ができるときの表面電荷Vsというのは、フェルミ準位の差Vfの2倍の値になり第2項は2Vfになるわけである。

そうすると一番下の式になって、ここでXdmaxをちょっと変えると一番右の式に落ち着く。すると、誘電率とか不純物密度などでVthが表されることになり、これも材料が決まればVfがでるのでVthは計算できることになる。

とまあ、今回はここまで。キャパシタに関してはあとはCV特性の説明をして終わりにする。
posted by ピッコロ大魔王 at 09:16| Comment(6) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大魔王さま ためになるHPありがとうございます。反転層がよくわかりません。金属と半導体を接触させた時は反転層ができないのでしょうか?できても酸化膜がないから電流として流れてしまうのでしょうか?ばかな質問ですみません。
Posted by 水田X at 2004年10月05日 16:23
水田X様

「物理」のカテゴリにあるPN接合(http://semiconductor.seesaa.net/article/238901.html)あたりから「物理」の記事を遡って読んでみてもわかりませんか?
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年10月05日 16:57
大魔王さま さっそくのお返事ありがとうございます。金属と半導体をショットキー接触させた場合に電圧をかけると障壁の高さが変わるだけで空乏層は変わらないようですね。なぜ金属・半導体で逆バイアスをかけた時に反転しないのかうちかえって考えてみます。反転層ってのはなんか本当特異な層で素人にはなじめません。
Posted by 水田X at 2004年10月05日 18:20
大魔王さま 一晩寝ずに?考えました。結論は金属-n型半導体の場合も逆バイアスを強くかけると反転が起こる。しかしそれは少数キャリアのあまりに少量でしかも絶縁膜を界さず金属と接触しているのであっというまに金属側の電子と中和してしまう、というか微量に流れる、であってますか?
Posted by 水田X at 2004年10月06日 11:27
まてよ、逆バイアスがすごい強くて金属のフェルミ準位より価電子帯の底が高い位置にまで来ると反転層は金属側へ流れないかなあ。あれこれあれこれ
Posted by 水田X at 2004年10月06日 11:31
水田X様

まず第一に、絶縁体を介していない接触というのは、いくらバリアがあっても絶対に電流が流れないというわけではないんですよ。講座の中でも時々触れていると思いますが、中には大きなエネルギーを得て障壁を飛び越えることができるキャリアもあるってことです。

だからダイオードの電流のグラフなどでも、逆バイアスをかけている時には逆方向の電流がわずかに流れているわけですよね。まあその原理は、ダイオードのところの拡散電流とかドリフト電流の組み合わせのところで説明してありますよね?(よく覚えていないし、あらためて確認するのも面倒なので不確かですが)

当然ショットキーバリアでも、障壁はあっても絶縁体で隔離されているわけではないので、同様のことが起こりますよね。そして、さらに逆バイアスをかけて行けばダイオードの場合いつかBreakdown Voltageに行き着いて、降伏電流がどばどばと流れてしまいます。

とまあ、結構いい加減なヒントですが、こんなところで考えてみればどうでしょう?
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年10月06日 18:37
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