2004年07月20日

PNダイオードの電流電圧特性

今回で一連のややこしい算数の式はひとまず終わりになるのでもう少しだけ我慢してもらおう。

いよいよPN接合のところから始まった一連の話の集大成になる。

それでは前回の式の続きからはじめよう。注入距離のところの最後にある拡散方程式をLpを使って表し、ちゃんとxの関数として表記すると以下の第一式のようになる(今回も前回の続きなのでHoleの式)。

PN-IV特性

いろいろやってきたから忘れてしまいそうだが、この式はそもそもPN接合部分で少数キャリアが注入されたときの拡散方程式である。だからこの式に境界条件を入れてといてやれば、接合面からの距離xの関数としてキャリア濃度の式が出来上がる。あとはこの濃度の式を用いて、拡散電流のときに出てきた式から計算すればPNダイオードのキャリア注入による電流の式が出来上がるということだ。

では、順を追って話を進めていこう。

まずPNダイオードの接合面x=0でのHole濃度は障壁乗越えのところで出した式のようになる。だって、接合面での注入キャリアってのは障壁を乗越えられるキャリアに等しいわけだからね。このとき空乏層の中での再結合は無視できると考えて、そこでのキャリアの消滅は起こってないとして、障壁乗越えキャリアがまるごと使えるとする。

さらに、このPNダイオードが十分な長さを持っているとすると(そりゃあ、電子とかHoleに比してということなのだから当然十分な長さを持っている)、距離無限大ではHole濃度はPnに落ち着く。これら二つが第一式を解く境界条件なのだが、イメージ的には右図のようになる。境界条件は第一式の下にのせてある。

そんでもって、こいつを使って微分方程式を解くと4番目にある式なる。これが距離xの関数で表されるn型半導体側のHoleの濃度分布の式なわけだ。そしてこの式を使って、上に述べたように拡散電流を求めてみるとその下の式になる。これがPNダイオードのHoleの電流密度の式になる。P(x)を微分してx=0を入れてやればでてくるわけだね。

同じようなことを電子についてもやると(拡散方程式から境界条件を使って解いてやると、Holeの場合と符号が逆になったりするが、ほぼ同じような式になる)、その下の式になる。

で、全電流密度はこれらを足したものだから、一番下の式が出来上がるわけだ。このとき、拡散係数、電荷qなどの係数を一まとめしにしてJゼロなどとすると右項のようになる。そして、この中のVfwを単にVにすれば、世の中一般的な教科書にでてくるJ=Jo(exp(qV/kT)-1)なんて簡単な式になってしまう。

そう、まさにこれがPNダイオードの電流電圧特性の式なのだ。この式のVはこれまではVfwの意味があって話を進めてきたが、別に順バイアスでなくてもよくて、PNダイオードの両端にかけるバイアスであるわけだ。だからこの式というのは当然逆バイアスのときの特性も表すことができる。

こうして考えると、この式はPNダイオードにかける電圧Vによる電流を表す式になることが分かる。だから電流電圧特性なのだ。

今回はここまで。次回は上の式を使ってPNダイオードの挙動を言葉で軽く考えていく。
posted by ピッコロ大魔王 at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/316771
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。