2006年12月01日

MOSトランジスタ電流の式3

さて、さて続きをやってみましょうか。

前回はゲート電荷と単位時間を求めるところまでいきました。お次はある意味簡単。前回の図をちょっくら呼び出してもらって、A、Bを@に代入するだけだ。

そうすると次のようになってくる。
静特性2.gif

式の前半部分は簡単だ。ただ代入して整理しただけ。次のVgのところがちょいと面食らうかも。実はここまでずっとVgって書いてきたのは意味があるわけだ。もう一つはVdsとか使っているのにね。

これゲートにかけた電圧ってゲート直下のチャネル部分では一定じゃないよね。だってドレインにも電圧を加えていくわけだから。実際はドレインからソースにかけて電位勾配があるわけだ。(まあ、このことが後々勉強していくと出てくる、ピンチオフとかDrain Varrier Loweringなんてことに影響していくのだが。)

n型のMOSの場合ゲート、ドレイン共にソース、Gndに対してプラスの電圧をかけていくので、ドレイン近傍のチャネルではドレインからのプラスでチャネルにかかるゲート電圧が目減りするわけだ。それにこの式の導出では関係ないけど、ドレイン境界部ってダイオード構造に逆バイアスがかかることになるので、空乏層が広がってチャネルを狭めることになる。ま、こいつがピンチオフの原因なんだけど、もうちょっと後だね。

そんなこんなで、脱線してしまったけど、このVgをゲートソース間、ゲートドレイン間の平均で表すことにするわけだ。で、さらに、ゲートドレイン間のVgdをVgsとVdsであらわす。この意味は分かるよね。上で脱線したときに説明したように、トランジスタをオンさせるために同極性の電圧をかけていくわけだから、チャネルにかかるゲート電圧がドレインソース間の電圧で目減りさせられることになる。

これで、VgはVgsとVdsだけで表すことができるようになった。その結果がVgの最後の式だ。

そんでもって、最初にQ、Tを代入して出した式にこのVgをぶち込むわけである。後は簡単で、整理していくと最後の式が出てくる。で、ここでただ整理しただけなのに@、Aって分けたのには意味があるんだが、それは次の機会にしよう。

ちなみに一般的には誘電率のままにしておかないのと、覚えやすいという理由から定数はCoxとμnにまとめてしまってある。この式がかの有名なMOSトランジスタの電流の式である。電流電圧特性とかこの式から導き出される特性(まあ、測定してもでるわけだが)を静特性なんて呼んだりしている。

このBlogをスタートしたときの目標ってのが、トランジスタの電流の式を求めるまで、ど素人が勉強するということだったので、ひとまず目標は達成だ。

だが、次回に続く。ここまでと、これから使うもう一つの図は前に作っておいたものだが、まあ教科書も何も見ないで、2年間も完全に離れていてもこれだけ説明できるんだから(多少間違っていると思うが)ピッコロも捨てたもんだはないなあ、などと自己満足してしまった。あはは。
posted by ピッコロ大魔王 at 10:05| Comment(0) | TrackBack(0) | デバイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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