2006年11月21日

MOSトランジスタの電流の式2

前回の続き。そういえば、まずはじめに忘れてはいけない基本事項を。半導体だとかMOSトランジスタだとか言っても、これから始める電流の式にしても、結局のところある場所を電流が流れるわけだ。まあ、実際は電子の移動なわけだけど。

で、今回の場合はその一連の動作の対象はゲート下のチャネル部分ってことになる。実はここで流れる電流ってのはいわゆるオームの法則に則るってことなんだよね。これって、式とか小難しいことやっていると意外と忘れちゃうんだけど、この基本は常に頭に置いておいたほうが良い。

さて、じゃあ例のごとく次の式を見てもらおう。
静特性.gif

まず、チャネルを流れる電流のイメージってゲートに電圧を加えていったときにたまった電荷をスウィープ(ほうきで掃く)するってイメージなんだよね。貯まったのをセッセセッセと掃くわけだ。この掃く役目をするのがドレイン電圧(ソースドレイン間の電位差)であり、単位時間の量を見れば電流になる。

というわけで、まず@の式のようになる。これをもうちょっと具体的なパラメータに変えていくためにその下に各要素のパラメータがある。

まず、単位時間はこの場合ゲート長の長さの距離を電子が進む速さで割ってあげればよいよね。そうすればこのゲート直下での電子の動きに対する単位時間が出てくる。ここでゲート長は記憶しておくように言った前の記事の図でLという既知の値だからOK。

電子の速度はちょっとわからない。だけどまえーにやったところにでていると思うが(探すの面倒だから勝手に探して!多分ダイオードかキャパシタの式一杯出たところあたりにあると思う。あ、エネルギーバンドのとこかな?忘れた)、電子速度ってのは電子の移動度とそこでの電解強度から出せるわけだ。それが2段目の次の式。このうち移動度はある材料が決まれば固定される既知の値になる。この場合Siという素材と、P基板の不純物濃度やそのときの温度などで決まってくる。

残るは電界強度だが、これは単純にソースドレイン間の電圧をゲート長で割ってあげればよい。これが次の式。なーんだ、結構簡単じゃん。で、まあ、上に書いた説明どおりに単位時間Tを求めるとAの式になっちゃうわけだ。単純に代入していけばいいわけだよね。

お次は電荷Qが分からないからこいつをやっつける。まず、この場合電荷Qはゲート直下にたまる電荷であるから、ゲート酸化膜のキャパシタに電荷がたまると考えればよい。ということで、ゲート容量Cgにゲート電圧をかければでてくる。

ところで、ふと思いついたが、ここでVgがVthを超えて完全に反転層が完成しなくても電流はちょろちょろ流れるってことが、ここまでの説明で何となく分かると思うが、その現象があとで式が完成したあと、式の上でも分かるし、実際にデバイスを測定したデータもそのようになるってのを覚えておくと良い。

閑話休題、ゲート容量ってのが分からないからこいつを求める。(こいつはおそらくキャパシタのところに遡れば分かると思うが、)単位面積あたりの容量ってのはこの場合材料がSiO2なので酸化膜の誘電率と真空の誘電率を掛け算したものをゲート酸化膜厚で割ってあげればよい。したがって、このMOSトランジスタのゲート面積LxWをこいつに掛けてあげればこのゲートキャパシタの容量が出てくるわけだ。ハイ簡単だね。

しかーし、今までに説明したように一般にはフラットバンド電圧などが存在することや、いろんな界面順位が存在することやもろもろの理由で余計な容量が最初からあるわけだ。だからそれによってできる電荷Qfも考慮に入れてあげないといけない。それを考慮に入れてあげると上に説明したキャパシタ容量とVth(閾値電圧)で表すことが出来る。これがBの式だ。

とまあ、こんな感じで、単位時間Tとゲート電荷Qがそろってしまった。この次はこのA、Bの式を使って電流の式を求めていくのが想像できるだろう。ではまた、次回に。

posted by ピッコロ大魔王 at 13:24| Comment(0) | TrackBack(0) | デバイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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