2004年07月07日

ドリフト電流

今回はいよいよドリフト電流の話。

前回の移動度の話で電界をかけると電子は逆方向に引っぱられるというのがでてきた。じゃあ、ここで真性半導体に電界をかけたらどうなるだろうか。

以下の図で説明しよう。

ドリフト電流

この図のように、真性半導体に電界をかけると電子は反対方向に、Holeは順方向に移動する。このときのそれぞれVnとVpっていうドリフト速度で移動する。

さて、ここでキャリアの移動による電流密度を求めてみよう。電流密度ってのは単位時間当たりに単位面積を通り過ぎる電荷の量のことだから、電荷qとそのときのキャリア密度(ここではn、pね)とそのキャリアの速度を掛け算してあげれば出てくる。こいつがドリフト電流と呼ばれているものに相当する。

これが図の下の2式の第2辺までになる。そして、移動度のところで出てきた式から速度Vを移動度で表すと、一番右の第3辺になる。ここで、電子の式のマイナスは逆極性だからマイナスなんだけど、移動度の式にマイナスがくっついてるから最後にはマイナスが取れる。これでもうお分かりのように、前回説明しなかったHole側の移動度の式には、マイナスがくっついていない。

普通これら2式がキャリアの電流密度の式と呼ばれるものである。

そして、この場合の全電流というのは電子とHoleの移動をあわせたものだから全電流密度ってのはその下の式のようになる。ここで電界の前にあるものをまとめてしまったものが導電率ってことになる。

そもそも電流って電界を強くすれば多く流れるわけだし、それぞれの導体の材料の違いや材料の状態によって流れやすいものと流れにくいものがあるわけだから、ここの電界と導電率に比例するって式はイメージしやすいだろう。そう考えればいきなり出てくる導電率って言葉のイメージも理解しやすいと思う。

そして、最後に載せたのは教科書などではこの話のところでは必ず出てくる、導電率の逆数が抵抗率っていうやつの関係だ。半導体のデバイス関係に携わっていると結構抵抗率って言葉が良く使われるので、一応覚えておいたほうが良い。

ちなみに、今回の話は真性半導体を例にとってやったのだが、不純物半導体では当然多数キャリアのほうが支配的になるので、最後の導電率などは電子ならn側の項だけ、Holeならp側の項だけってことになる。

今回はこれでおしまい。なんとなくドリフト電流ってのが分かったでしょう。次はやっぱり拡散電流の話かな。
posted by ピッコロ大魔王 at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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