2004年06月22日

不純物半導体のバンド構造

まずは、不純物半導体がどのようにして、電子リッチになったり、Hole(正孔)リッチになるかをバンド構造で説明しよう。

以下の図を見てもらおう。

不純物半導体

左側の図は、前回出た図と同じで真性半導体のバンド構造である。真ん中のEiの点線が真性半導体のフェルミエネルギーで通常Intrinsicのiをつけて区別している。そして、伝導体の一番下のレベルをEc、価電子帯の一番上のレベルをEvであらわす。

そして、次はn型半導体。不純物半導体のところで説明したとおり、Siに比べて一個電子が余分な5価のPやAsなどが入っていて、これらの不純物のことをドナーと呼んでいる。このときドナーのエネルギーレベルは真ん中の図のようにEdというところにあって、もともとの真性半導体のEiよりも高い位置にある。すると、どういうことが起こるかというと、Edにあったドナーから生まれた電子は、Ecまでのエネルギーギャップが小さいために、簡単にEcまで励起されて電気伝導に寄与するキャリアが増えるというすんぽうだ。

こうなると、実際にはEiという本来のフェルミレベルは、n型半導体では絶対零度で存在できる最大エネルギーではなくなってしまう。n型半導体の場合、Edによって押し上げられるかたちで、実質のフェルミレベルEfが決まる。このように、そのときの半導体の実質のフェルミレベルと真性半導体のフェルミレベルを区別するためにEi、Efなどと使い分けている。

一方p型半導体は、これと逆で、電子が1個少ない3価のBなどのアクセプターと呼ばれる不純物が入っている。右の図のように、このときはアクセプターのエネルギーレベルがEaで、ここにもともと空き(空孔)がある。すると、空孔のあるEaのレベルとEvのレベルのギャップが小さいので、本来なら励起されてEcの位置まで上がる電子が少ないのに、Eaにはいとも簡単に励起されてしまう。その結果、価電子帯側の電子が抜けた場所はHole(正孔)となり、常にHoleリッチの半導体となるわけだ。

P型半導体の場合も、n型とは逆にEaが押し下げる形で実質のEfが決まり、もともとのEiよりも低いレベルにEfがくるようになる。

このようにして、n型半導体とp型半導体は、電子やHoleといったキャリアリッチの半導体になるわけだ。

次回は、直接遷移と間接遷移などなど。
posted by ピッコロ大魔王 at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/228746
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。