2004年06月11日

メタルエッチ

ちょっと用事があるので早めに更新。今回は前々回の続きからである。前々回はResistのパターンを作ったところまでで終わった。今回はEtchingに入る。

以下の図を見てもらおう。

Al2

ステップ1でいきなりDry Etch。Alなどのメタルエッチでは、Etchingの装置自体が他のDry Etchの装置と違う場合が多い。例えば、SiO2とPoly Si、NitrideのEtchingは似たり寄ったりの装置で、下手すりゃSiOとNitrideは同じ装置を共用したりする。これは選択比のところで説明した、Etching gasによる。

そこにあるように、特にAlエッチの場合、塩素系のガスしか使わないところがポイントである。基本的に塩素系だと腐食とかを起こしやすいので、細心の注意が必要である。

さらにメタルエッチの場合、CVD膜をつけた後であるとか、メタルそのものの成膜の状態などの理由から、デガスと呼ばれる膜からのガスの放出などがあり、確か真空系も強力なはずだ。

Etchingが終わって、Resistを除去するとめでたくステップ2のような状態になる。この後、すぐに純水でウェハーを洗浄することが大事である。そのままにしておくと、エッチングガスの残留塩素により、Alの表面が腐食されてしまうからである。こういうのをAlコロージョンと呼んでいる(まあ、英語のカタカナ読みそのままだけどね)。

このときAl自体は純水につけておくだけでも、少しずつEtchingされるので、あまり長時間は純水に浸けておくわけにはいかない。たまに忘れてしまって、純水の槽の中に入れっぱなしにしておいたりすると、せっかく作ったAl配線がきれいさっぱりなくなっているなんてことが起こる。

この純水洗浄が終わると、次はシンター(Sintering)というのを行う。普通金属が半導体に接触すると、ショットキーダイオードができてしまうことがあり、こいつを熱処理して接触面を合金化してあげるというのがシンターだ。こういう接触をオーミックコンタクトと言って、ちゃんと電流が両方向に流れるような導体になる。

分かっているとは思うが、ショットキーダイオードとはその名のとおり、一方向にしか電流が流れないものである。ショットキーは、ショットキーバリアなんて名からきているが(ちょっと違うけど)、まあこれはそのうちデバイス物理のところで触れるであろう。

シンターは実はH2(水素ガス)を流しながらやるというのがポイントで、このガスが合金化(アロイ)に重要な役割を果たしている。温度はそれほど高くなく450℃ぐらいだったかな?水素がAlと基板の界面に達して電子のやり取りを補助するんだっけな?忘れた。

でも、このプロセス、水素ガスを使って、温度を低温とはいえ上げるわけだから、非常にいやな感じのプロセスである。ショットキーダイオードができることもある、っていうことはできないこともあるわけだから、Sinterをしなくても大丈夫な場合もある。だから、大学の実験室レベルでは、結構危険だからとりあえずはSinterなしでやってみる、なんて方法もある。

これで、メタル工程はおしまい。次はいよいよ最後のPassivation。2層メタルなどの多層のプロセスはいったん全部終わってから、最後に付け足すとしよう。
posted by ピッコロ大魔王 at 09:07| Comment(5) | TrackBack(0) | Etching | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ピッコロさん、
お仕事辞められていたのですか。
こんなに知識を持っているエンジニアが、
なんともったいない。
人生色々なのですね。
Posted by パラ坊 at 2004年06月11日 22:17
パラ坊様
人生いろいろです。でも、だから面白いですね。
まあ、世の中には面白いなんていってられない、のっぴきならない状況も多々ありますが、少なくとも私の場合、まだ大丈夫かなといったところです。

その辺の話は、そのうち気がむいたら、記事に書くかもしれませんが、まあしばらくは謎のほうが面白いかなと思っています。
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年06月12日 10:32
ピッコロ大魔王さま始めまして、自分は半導体製造工場で働いておりますものです、このたびシンターについて勉強を行っているのですがいまいちピンときません、無知な僕に絵的なもので説明願えませんでしょうか?お願いいたしまする
Posted by てらてら at 2006年09月07日 06:54
ピッコロ大魔王様
はじめまして、私は半導体製造会社に勤めております。ひとつ質問があり投稿させて頂きました。実はメタルエッチでエッチング後のCD太りが0.4-0.5umにもなってしまうのですが、普通こんなにも太るんでしょうか?もっとレジスト寸法通りにエッチングできないものかと悩んでおります。
Posted by イプサム at 2007年01月23日 10:45
>エッチング後のCD太りが0.4-0.5umにもなってしまうのですが、普通こんなにも太るんでしょうか?

構造にもよりますが,今の世代なら1nm以下で制御できます.
Posted by お茶 at 2007年01月29日 16:51
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