2004年06月09日

メタルスパッタ

今回はメタル工程に入る。いわゆる配線工程である。まあ、多層配線のことを考えなければ、このメタル工程でほぼ重要なPhotolithoは終わりということになる。

ちなみにこのごろの記事、Photo工程やEtching工程の詳細の説明が要らなくなったので、ほっておくとカテゴリが全部Photolithoになってしまう。だから、個人的感覚でこれはPhotoとかこれはFilmとか適当にイメージが一致するものにしている。

さて、以下の図を見てもらおう。

Al1

ステップ1は前回のContactをあけた状態から、洗浄工程を経て、AlをSputtering(スパッタ)して、AlのFilmを全面に敷いた後である。一応スパッタ前には、拡散前の洗浄と同じような洗浄をする。スパッタはメタル工程でよく使われる真空系の装置である。詳細は次回以降。

このAlは通常純粋に100%のAlが使われるわけではない。だいたいAl-SiとかAl-Si-Cuなどが使われる。Al-Siの場合はSiが3%ぐらいだったかな?Al-Si-Cuの場合は同じくSiが3%以下、Cuが1%か0.5%じゃなかったかな?この辺は標準的にということで、Al-Siの3%は有名だけど、Cuのほうはいろいろじゃないかな。

このSiが100%じゃないというのは、Alスパイクなどというものを避けるためだ。これ、AlとSiって相性がいいので共晶(共相?)って組成を作りやすいことから、Si基板中のSi原子がAl中に移動し、Al原子がSi基板中に移動することによって起こる問題だ。これが起こると抵抗が変わったり、特性が変わったりとまずいことが起こるので、あらかじめ3%ぐらいSiをAlに混ぜてスパッタすることにより、回避している。

Cuを混ぜるのは、エレクトロマイグレーションとかストレスマイグレーションを抑えるためである。メインはエレクトロのほうだったかな?マイグレーションの話はのちのち信頼性の話とからめて詳細は出てくるであろう。

ここでは触れないが数年前から、PCなどのサイトでもCu配線のCPUなんてニュースが出ているが、これもマイグレーションとの関係があって、Cuはエレクトロマイグレーションにとても強いといわれている。最先端ではCu配線が主流なんだろう。何年か前はEtchingするのが難しくて、なかなかうまくいかなかったんだけど、今ではそれも解決されているのだろう。それこそ昔はこれでもか!っていう技を使ってIBMなどがやり始めていた。

ちと長くなってしまったが、本題に戻って、Al-SiやAl-Si-Cuの膜厚はだいたい1um前後だろう。これも、例えばパワー系のデバイスなどは電流をバコバコ流すために、何umっていう厚さのAlを乗せるから、一様ではない。電流いっぱい流すには断面積がでかくないといけないからね。一般のLogic系のデバイスだと1um程度ということだ。要するに回路設計によって違うわけ。

こうして、Alの膜を乗せた後に、今までと同じように一連のPhoto工程を通してくると、ステップ2のようになる。Resistの残っている場所を見ると今後どういうふうになるかが想像つくだろう。図中のAlにはよくわかるように点々をつけた。基本的にS/DやPoly Si Gateなど電極関係を点々にしてある。

以前も少し触れたが、このメタル工程以降Photo工程で使われるResistはこれまでのレジストと違う。まずは前に述べたダイ入りResistであること。

もう一つはこれまでのResistよりも粘性が高いってこと。Alや今後のPassivationの膜は今までよりも厚い膜を使うことが多く、加えて今までの加工による段差もついているので、段差が非常にきつくなって表面に出てくる。すると、今まで使っていたようなレジストだとカバーできなくなるので、なるべく粘性の高いレジストを使って、レジスト自体の膜厚を厚くして被覆性を高めるわけだ。

厚くするならResist Coater Spinの回転数を抑えて、今までのResistのまま厚くすればいいじゃん、なんて声も聞こえてきそうだが、回転数を落とすと、膜厚のばらつきが増えたりと、制御が不安定になり、よろしくない。そもそも、回転数なんて5000/rpmぐらいで回っているので、これの回転数を落とすだけで膜厚を大きく変化されるなんて土台無理な話だ。

Resistが厚くなると今までよりも露光時間が長くなったりと、工場的には微妙にいやらしい。Resistが違うってことはDevelop液も違うわけだから、余分に装置のレーン(Lane)もいるし、薬品の管理なども増えるってことになる。まあ、現場はちょっとしたことでいろいろ大変になるわけだ。

だから、工場とプロセスエンジニア、デバイスエンジニア、設計者などは、ちゃんとコミュニケーションとってやらないと、つぎはぎだらけのプロセスや工場運営になってしまい、しいてはそれによって、事故や不良が起こったりする。まあ、どこでも下流の工場にしわ寄せが来るのだが、そこが改善されている会社や工場は強い。

ちょっと長くなりすぎたのでここまで。ほんとはEtchingまでと思っていたが、今回はやめ。次回はSputter装置の話か今回の続きのEtchingの話のどちらか。
posted by ピッコロ大魔王 at 10:50| Comment(1) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
WEBで検索するとき偶然拝見いたしました。必要な情報が乗っかってて助かりました。
Posted by KATHERINE at 2006年01月19日 11:01
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