2004年06月07日

Planarization

今回は予告通りPlanarization(平坦化)の話をする。

普通、ウェハー工程の後半になると、Alなどの配線や層間絶縁膜、最後のPassivation膜(保護膜)の膜厚は1um前後と非常に厚くなる。さらに最近のDRAMやCPUなどのプロセッサーの中には4層メタルなどといった多層配線が使われることが多い。

その結果、あるところでそれなりに平坦化を行わないと、表面がぼこぼこになり、配線が切れてしまったり、絶縁膜で下地をカバーしきれなかったりと、非常にまずいことが起こる。

そこで、ある世代のプロセスから平坦化の技術が一般的に使われることになった。

以下にその代表的なものを挙げて、説明する。

1.SOG
SOGとはSpin on Glassの略で、シリカ(SiO2)を溶剤に溶かした、まるでResistのような液体のことである。これを、ウェハー表面にたらして、クルクルクルとResisit塗布のようにSpinしてウェハー全面に塗布する。

これは液体である程度粘性もあるので、ウェハー表面に均一に塗られ、表面が膜で覆われ平坦化される。この後、拡散炉に入れて熱処理を加えると、あら不思議、SiO2のガラスに様変わりして、CVD膜と同じような状態になる。温度はそれほど高くなく、600℃ぐらいだったかな?(よく覚えていない)

2.エッチバック
これは、名前から多少は想像がつくが、エッチングにより表面を全面削っていって、平らにするものだ。やり方としてはResistを前面塗布して、上からドライエッチしていくものが代表的だ。Resistの代わりにSOGを使う場合もある。

まず全面をドライエッチでエッチングしていくと、段差の凸の出っ張っている部分のResistが薄いので、その部分は下地の層間絶縁膜が出てくる。すると、ドライエッチの条件が、ResistとSiO2の選択比をResistがエッチングされやすいように設定してあるので、Resistのエッチングはそのまま進み、SiO2が出てきた部分はエッチングRateが落ちるようになる。これをうまくやって続けていくと、結果的に下地の出っ張った部分だけを削り取って、平坦化ができるようになる。

3.CMP
これはChemical Mechanical Polishingの略で、そのまま直訳すれば、化学的機械的研磨なんてことになる。これ、最後のPolishingをPlanarizationのPだってしているところもあるけど、Polishingのほうがいいと思う。

具体的にどうやるかというと、スラリーと呼ばれる化学薬品みたいなものをウェハー表面にたらして、上からグラインダーのような研磨用の砥石を当てて、ぐるぐる研磨する。ウェハーと砥石でスラリーをサンドイッチ状態にして、そのスラリーの化学反応と研磨の機械的力で表面を削っていくようになる。だから化学的、機械的なのだ。

細かいところは専門書に任せるとして、スラリーを簡単に説明すると、シリカやアルミナなどの研磨用のつぶつぶが入った液体で、確かpHが7ぐらいのアルカリだったはず。だから、初期のころはこの製造段階で、Naなどの半導体には大敵である可動イオンとなるアルカリイオンが含まれていて、問題だった。今は解決しているのかもしれない。

また、研磨ということで、パーティクルの発生源にもなるといわれていた。だから、アルカリイオンとパーティクルを避けるために、このCMP装置のためにクリーンルームを別に用意し、排気系なども別々にするという方法が取られていたはず。でも、技術は進歩しているだろうから、最近はそういう心配もないのかもしれない。

4.BPSGのリフロー
これは前回説明したとおりである。だいたい使用パターンとしては、S/D形成後はこのBPSGリフローかSOGのどちらかを使うというパターンだろう。その後のメタル配線の前の層間絶縁膜の平坦化はエッチバックかCMPを使うのだろう。でも、これらの平坦化方法のうちどの方法を使うか、どういう組み合わせで使うかは各工場、製品によって違うのだろう。

とまあ、平坦化の代表的なものはこんな感じである。次回からはまたプロセスの続きに戻る。
posted by ピッコロ大魔王 at 10:04| Comment(15) | TrackBack(0) | Film | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもこのblogで勉強させていただいています。
質問なのですが、SiO2膜をCMPで平坦化しようと考えているのですが、CMP後の洗浄はどのように行えばいいでしょうか?全く無知なもので・・・詳しく教えていただけると助かります。お願い致します。
Posted by CMPやりたい人 at 2005年01月04日 11:07
酸化膜のCMPですと、使用しているスラリーはシリカ系のコロイドになると思います、、
CMP後の洗浄となりますと、スラリー除去を想定してよろしいのでしょうか?その場合、シリカをよくエッチングでき、かつ層間膜をあまりエッチングしない薬液がベストとなりますが、DHF(希フッ酸)が一般的じゃないでしょうか?CMP装置には洗浄装置も付属してきているはずなので(乾燥する前にスラリー除去する必要があるため)CMP装置メーカーの意見を良く聴いてみたらよいかと思います。以前に比べCMPが一般的に使われるようになり、装置メーカーもいろんな量産工場への納入実績をあげてきておりますので、いろんなノウハウが聞けると思います。
Posted by BPN at 2005年01月08日 13:37
ご教授ありがとうございます。スラリーはシリカ系です。当方が使用予定のCMPは原始的なもので、洗浄装置はついておりません。
スラリー除去の際には、超純粋リンス→DHF処理→超純水リンスと考えてよろしいでしょうか?
御指導お願いします。
Posted by CMP人 at 2005年01月10日 01:40
CMP語の洗浄方法についてはその手順で問題ありません。

Posted by BPN at 2005年01月22日 15:32
余談ですが、CMPはどんな凹凸でも平坦化する技術のイメージが強いかもしれませんが、凹凸が激しいとまったく平坦になりません。。。この場合、凹凸を埋めてやる工程が必要となります。

Posted by BPN at 2005年01月22日 15:34
全面がSiO2であれば問題ありませんが、例えばContact、Viaが開いていれば、dHFで埋め込んだ金属にアタックが見られることもあります。
初期の段階ではあまり気にならないと思いますが、Via抵抗の要求が厳しくなってくると、このアタックとかが問題になるかもしれません。また、これらプラグとかの金属にキーホールと呼ばれる埋め込み時の名残のような小さな穴がしばしば見られます。この穴にスラリー粒子が入り込みます。これを除去しようとするとまた少し独特の工夫が必要になります。CPM後専用の洗浄液なんて便利なものも世の中にはあります。
ポリッシャーとのインテグレーションに拘らないのであれば洗浄装置メーカーさんを当られるのも手だと思います。
Posted by クリーニング店の店主 at 2005年01月26日 11:32
Cu研磨のとき、光電池効果で腐食とか起きちゃうじゃないですか?
とりあえず装置内は真っ暗にしてるんですけど、本当はどのくらいの光なら大丈夫とかあるんでしょうか?
パターンにもよるのかな?
Posted by 研磨屋ケンちゃん at 2005年03月19日 21:36
Cu研磨の時は装置内を暗くしておいた方が絶対いいと思います。勿論、光量に依存性があるのは確かですが、これを制御するほうが難しいです。実際問題として暗闇にしている方が安心できると思います。
Posted by クリーニング店の店主 at 2005年05月06日 17:16
大昔に勤めていた会社で,BPSGを思いっきり分厚く堆積させてから,ウェットでエッチバックするという実験をやった人がいました. 平坦性に関しては居並ぶプロセス屋さんがみな賛嘆の声を上げる素晴らしい結果が得られましたが,当時の技術ではコンタクトホールのカバレッジの問題を解決できなかったことと,あまりのスループットの悪さ・エッチング層の汚染(パーティクル)のために即座に実用性ゼロという判断が下りました.チャンチャン
Posted by 名無しです at 2005年09月16日 15:52
PSZ て 何?
Posted by 仕事マン at 2006年03月06日 22:36
素人質問で恐縮なのですが、
BPSGのリフローの温度及びアニール時間はどれくらい必要なのでしょうか?
また、通常BPSGはどれくいらの膜厚を堆積させるものでしょうか?
参考までにPoly-Siの膜厚が500nmだとどれくらい必要だと考えられるでしょうか?
Posted by BPSG at 2006年09月07日 22:09
SOG平坦化の課題として、ポイズンドビアというのがあると聞いたのですが、(1)どのような課題か?、(2)対処方法について、の2点、御教授頂けると幸いです。
Posted by ヤス坊 at 2006年10月27日 18:02
「ポイズンドビア」
勉強不足で質問してしまい、申し訳ありませんでした。ものの本に、対応策はちゃんと出てますね(特許検索でも)。失礼いたしました。
Posted by ヤス坊 at 2006年12月07日 15:40
ご質問があります。

SOG膜はエッチングのマスク材として使用可能
Posted by TRENCHオタク at 2006年12月12日 20:04
先ほどの書き込みが途中ですいません。

SOG膜をドライエッチングのマスク材として
使用可能でしょうか?

Siエッチング等で?
Posted by TRENCH at 2006年12月12日 20:06
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