2004年05月17日

LPCVD2(縦型炉、横型炉)

分割修正後の続き。

そういえば、今思い出したが、酸化、拡散のところで説明し忘れたと思うことがある。今ではLPCVDも含めた酸化、拡散炉はほとんどが縦型の装置じゃないかと思うが、昔は横型の装置が主流だった。

前に少し触れたが、半導体装置で高温で処理する装置は、外側から見ると、まず装置のガタイがあって、その中に石英ガラスでできた石英チューブがある。さらにその中には石英ボートと呼ばれるウェハーをセットする棚みたいなものがある。石英ボートの形状は、だいたいウェハーが音楽CDのCDチェンジャーのような感じで並ぶものだとイメージすればよいだろう。そこに1枚1枚ウェハーがセットされるわけだ。

横型炉というのは、石英チューブが水平方向にセットされており、横型なわけだ。この場合石英ボートはウェハーをたてに並べるように、下側に半円形の支えを持つ。なんというか、台所で皿を洗った後に立てて並べるような感じだ。このとき、ウェハーは一番下の1点、真ん中の左右2点の3点で支えられることになる。実はこのウェハー半分の3点での支えによって熱処理中のウェハーにかかる応力が不均衡になって、膜に欠陥ができたりする問題が、この横型炉にはある。だってウェハーの自重がほぼ一番下の1点に集中することになるからね。

一方縦型炉は石英チューブが垂直方向にセットされており、縦型と呼ばれる。この場合は石英ボートは、ウェハーを横に並べるようになり、やはり3点ぐらいで支えることになる。でも、こちらのケースでは、1点で支えるわけではなく、手の親指、人差し指、中指を上に向けてそれでウェハーを支えるようなイメージなので、自重は分散される。その分処理中の応力の問題による欠陥などは減る。

そんなわけで、ウェハーが大口径化してくるとともに縦型炉が一般的となってきた。重たいからね。まあ、でも300mmなんて感じになると逆にでかすぎて、真ん中がたわむから、ウェハーを水平にセットする縦型炉はいまいちかもしれないなんて話もあった。

縦型炉のメリットはそれ以外にも、工場のフットプリントが小さくてすむということもあげられる。要するに上方向には伸びるけど、敷地面積は食わないから、土地代、建物代が少なくてすむということだ。

最後になぜLPCVDという低圧処理が必要なのか。これは上の石英ボートの話と関係しているのだが、CVDは上から堆積させ、一度に大量のウェハーを処理しようとすると、CDチェンジャーのように隙間なくウェハーを並べないといけない。その時低圧だと、Mean Free Path(平均自由行程)が長くなり、狭い隙間までちゃんとガスが到達でき、均質な膜ができるというわけだ。平均自由行程は行く先の邪魔な原子とか分子の数が減って、ぶつかる頻度が減れば、伸びるわけだから、低圧にすればよいわけね。平均自由行程を知らない人は自分で調べてね。

この辺でLPCVDの話はおしまい。さて、次回は次のステップでアクティブ作成行程かな。
posted by ピッコロ大魔王 at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 酸化拡散 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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