2004年05月14日

LOCOS

ほんとは今回の題名がナイトライドだったかもしれない、それで前回のがLOCOSのほうが良いかも。

ところで前回言い忘れたがLOCOSは日本語ではロコスと発音する。そんなのいわなくても当然分かるか。

さて、LOCOS法のプロセスだが、なぜ前回の題名がナイトライドだったかというと、このプロセスではSiN(シリコンナイトライド)を使うのが特徴であるからだ。

例によって、以下の図を見てもらおう。

Nitride

今回からは、図が横に長いのは、最終的にPMOSとNMOSをここに並べて2つ作ろうとしているからだ。すでに知識のある人、または察しのいい人は、左のNwell側にPMOS、右のPsub側にNMOSを作るのがわかるだろう。それで、めでたくCMOSといえる。

と、脱線はここまでで、プロセスの説明だ。まず始めに酸化膜をひく(膜をつけるのをひくなんていったりする、ほんとは敷くなんだろうけど)。このときの膜厚はだいたい500オングストローム(オングストロームの記号化けちゃうからカタカナ表示だけど、なんかいい手はないものだろうか)で、通常ドライ酸化で膜をつけると思う(酸化工程)。これでStep2終了。酸化膜をひく理由はField酸化膜ができるあたりで述べることになるだろう。

その後、続けてNitride(ナイトライド)膜をつける。続けてというのは、前処理の洗浄などがなしで、酸化膜をつけたらそのまま何もせずということである。もちろん上の酸化膜の処理の前にはウェハー洗浄をしている。前に述べたSC-1、SC-2などである。ちなみに窒化膜と呼んだり、Nitride(ナイトライド)と呼んだり、SiN(Si3N4を使う人もいる)と呼んだりするけど、ここではNitride膜と呼ぶことにした。この膜はだいたい1000から1500オングストロームぐらいの厚さが一般的なんじゃないだろうか。

これをつけるのに使う装置はLPCVDと呼ばれる装置だ。CVDに関してはもう少し後の工程に頻繁に出てくるから、そこで詳しく説明することになると思うが、ここではさわりとLPCVDの特徴を説明しよう。

CVDとはChemical Vapor Deposiotionの略で化学的蒸気で堆積するってことになるが、それじゃあ何のことやら分からん。まあ、簡単に言うと、化学ガスを流してガスの中のつぶつぶ(原子)がウェハー表面にがっちりと堆積するってことかな。

CVDにはLPCVD(Low Pressure CVD)とPECVD(Plasma Enhanced CVD)とAPCVD(Atmospheric Pressure CVD)と代表的なのが3つある。
LPCVDは低圧で行うCVD、PECVDはプラズマガスを使って行うCVD、APCVDは常圧(つまり大気圧でそのままの環境)で行うCVDである。

今回のLPCVDは装置としては酸化炉や拡散炉と同じ形をしていて、石英チューブの中で処理をする。そういえば言ってなかったが、酸化も拡散も炉というがウェハーは炉の中にある石英チューブに入れて処理される。要するに反応ガスは石英チューブの中だけに流れるわけで、外には漏れてこないようになっている(それじゃないと危ないしね)。石英チューブはウェハーの径より大きな長さ2メートルか3メートルの土管みたいなものである。

ちょっと長くなりそうだから、LPCVDの話は次回に続けることにしよう。で、とりあえずNitride膜をつければStep3まで終了。
posted by ピッコロ大魔王 at 11:06| Comment(4) | TrackBack(0) | 酸化拡散 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「これでStep2終了。酸化膜をひく理由はField酸化膜ができるあたりで述べることになるだろう。」て書いてありますが、SiNのまえに乗っける理由ってあるんですか?
Posted by garden at 2004年06月19日 03:23
garden様

ゲート酸化のところ(http://semiconductor.seesaa.net/article/174260.html)にも書きましたが、Fieldインプラのプロテクト膜としても利用しますが、基本的には応力緩和です。特に、バーズビークのところが最も応力集中が起こりやすく、バッファーとして酸化膜をかましてもSi基板上に結晶欠陥が生じてしまうことがあります。そうなると耐圧不良やリーク電流の増加などが起こってしまい、トランジスタとしては致命的です。

LOCOSのいろいろな改良や改善などのことをLOCOSエンジニアリングなどと言っていますが、このLOCOSエンジニアリング、かなり歴史が古くいろんな改良がなされています。いろんな工場でもなるべく結晶欠陥が生じないようなプロセスに改良されているはずです。

現在の最先端技術といわれているDeepサブミクロンのプロセスなどでも厚さは10nm程度になっていますがSiNの下にSiO2は敷いていて、基本は変わっていません。

LOCOSの場合応力の話だけでも結構奥が深く、どこが圧縮応力でどこが引張応力などという、材料力学関係の知識が必要になり、ちょいとややこしいかもしれません。
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年06月19日 09:14
ピッコロ大魔王様

 解凍ありがとうござます。文中の応力緩和は、応力緩和=バーズビークの伸びとおもっていいんすか?バーズビークの伸びの制御は酸化膜の膜厚or膜質でしょうか?あんまりシツコクきいてしまいすんません。
 LOCOSを重点にかいた文献てあるんでしょうか?
Posted by garden at 2004年06月19日 15:46
garden様

まあ、基本的には応力緩和=バーズビークの伸びと思っていいと思いますが、実はそうは簡単ではなくて、例えばField酸化膜の成長速度などが影響したりします。だから、この応力に関しては構造上のものとプロセス条件上のものがあり、そこが職人芸のいるところです。匠の技です。

バーズビークの伸びの制御はField酸化膜の膜厚、酸化速度でできると思いますが、SiN下のバッファーの酸化膜の膜厚も変数のパラメータとなります。

LOCOSを重点的に書いた文献はいっぱいあると思いますが、今これといったものは思い浮かびません。例えばWebでも、LOCOS、応力、バーズビークなど重要と思われる語句で検索すればそれなりの情報は得られるんじゃないかと思います。それほどまでにLOCOSに関しては研究している人の累積人口が多いと思います。
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年06月19日 21:08
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