2004年05月13日

ナイトライド

今日は6時台から死亡だったせいか、10時台にはすでに回復している。

今回はLOCOSプロセスの一環の始まりからである。まずLOCOSについて。LOCOSとはLoCal Oxidation of Siliconの大文字部分をとった略称である。SiliconのところをSeperationなんていう人もいたような気もするがSiliconが正しいのだろう。

これは直訳すれば、シリコンを部分的に酸化するってことなんだけど、日本語的には素子分離の方法の一つである。だからよくLOCOS法なんて呼ぶわけだ。半導体プロセスの中で最も代表的な素子分離法としてLOCOS法がある。

普通トランジスタってのは、1個または2,3個セットで並んで作られるんだけど、それを何千個何万個何億個とウェハーの上にそのまま並べていくと、本来トランジスタを作製しようとしたところじゃない部分に、結果的にトランジスタ構造ができてしまう。こういうのを寄生トランジスタって呼ぶんだけど、これができてしまうと、あるトランジスタを動作させようとしたら隣の寄生トランジスタも動作してしまって、回路として全く成り立たない、てなことが生じる。

寄生トランジスタに関しては、最終的に出来上がりの断面構造を見れば分かるのでそのときまでお預けだ。ちなみに、予期しないで発生してしまうキャパシタンス(コンデンサ)の容量を寄生容量と呼ぶ。

それで、なんとか寄生トランジスタをオンさせないようにしようと考えたわけだ。それをするためには、寄生トランジスタができる部分のゲート酸化膜に相当する部分の酸化膜厚をむちゃくちゃ厚くすれば、トランジスタのVthが(絶対値として)でかくなるから良いだろうと考えた(そうするとよほどでかい電圧がかからない限り)オンしないからね。その結果、トランジスタを作る部分はゲート酸化膜をつける前にSi表面がむき出しになる部分で、他は膜厚が5000オングストロームから10000オングストロームぐらいの厚さの酸化膜でうめた部分になる。

このトランジスタを作る部分をアクティブ(Actvie)領域と呼び、そのほかをフィールド(Field)領域と呼ぶ。一般的には単にアクティブ、フィールドという。さらに、特にフィールド部分にできてしまう、上に述べた寄生トランジスタのことを、フィールドトランジスタと呼んでいる。

フィールド酸化膜の厚さは、プロセスルールによって違うが、より縮小された最新のチップでは5000オングストロームぐらいなんじゃないだろうか。回路中に使われる電源電圧だとか、チャージポンプなどの昇圧回路ででてくる電圧が高ければ高いほど、フィールドの厚さが必要になるわけだが、最新のチップはそもそも低消費電力とか低電圧回路なんてのが主流なので、おそらく膜厚は薄くなっているだろう。

こんな理由で素子分離が行われるわけだが、LOCOS法が出てくるまでは、単にドバーって酸化膜をつけて、アクティブのマスクを使って、Photo工程を通し、その後ウェットエッチによってアクティブ、フィールドを形成していた。しかし、現在では一部のパワートランジスタとかバイポーラトランジスタを除けば、ほとんどがLOCOS法であろう。

LOCOS法の優れたところは、アクティブを狙ったサイズに、マスクパターンのサイズから大きく外れずに作れるというところだろう。これに関しては、LOCOSプロセスの説明が終わって、形ができた後にしたほうが分かりやすいだろう。

今回はここまで。次回はプロセスフローの最初の図からかな。
posted by ピッコロ大魔王 at 11:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 酸化拡散 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
解析の仕事をしています。
普段聞けない所をついていて、
助かっています。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by さくら at 2007年01月11日 17:54
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。