2004年05月07日

デベロップ工程

さて、今回は現像(Develop)のことをさらりと。

露光が終わったレジスト付きのウェハーを現像すると、マスクパターンの通りにレジストパターンができる。その後、エッチング工程やインプラ工程に進むわけである。どんな感じかというと、前に示したのと同様に、以下の図のようになる。この場合ポジレジストのサンプルである。

Develop

半導体用の現像液はほとんど強アルカリのTMAH(TetraMethyl Ammonium Hydroxide)っていう薬品がベースになっているはず。それにあれこれ混ぜて化学会社が現像液として売っている。そういえばレジストは樹脂と溶剤って書いたけど、界面活性剤も入ってたかなあ。現像液にも界面活性剤はいってるだろうなあ。これは、ぬれ性っていうパラメータがあって大事なんだよね。

レジスト塗布とデベロップの装置をまとめて、コーターデベとかよび、トラック系(何本もレールがあって同時並行に何列かで処理するので)の装置なんて言い方もある。要するに似ているわけだ。デベの場合、ウェハーの大きさのカップの中(小さな綿菓子作り機みたいな周囲を囲んだカップ)にウェハーをロードして最初にタラーっと現像液をたらして、数秒浸しておく。するとその後装置が勝手にウェハーをくるくる回し始め、現像液を遠心力で飛ばし、リンス液なるものでウェハーを回しながら表面を洗う。で、おしまい。

その後、オーブンで80度ぐらいの温度でちゃんと乾かして、レジストを固めて一連のPhotolitho工程が終わりになる。

ところで、製造工程的には、レジストコーターやデベの装置のカップはレジストなどでべたべたに汚れるので、毎日きれいにしないといけない。そこがパーティクルの発生源になったりするのでね。結構これは製造現場の人たちには大変である。まあ、レジストとか現像液のタンクは小さいものでも20リッターぐらいあるから、そういうのを装置にセットするのも大変なんだけどね。

現像のところで起こる不良として多いのは、現像不足と現像しすぎ。実はこれは現像装置自体がトラブって起こる場合もあるが、多くは露光の問題である。現像装置自体が原因っていうのは、現像液をたらして、回り始めるまでのじっとしている時間が長かったり短かったりで起こる。長ければ現像され過ぎで線幅が細くなり、短ければ線幅が太くなる。

露光が原因の場合は、そもそも露光時間を決めてあるのに、その露光時間がステッパーなどの故障で短くなったり長くなったりすることによる。露光が長ければオーバー露光で、ポジの場合は線幅が細くなり、短ければ太くなる。さらに、レジストの膜厚がもともとの設定よりも薄い場合などは、露光、現像が正常でも結果としてオーバー露光になり線幅は細くなる。逆にレジストが厚すぎると線幅は太くなる。

実はここで線幅線幅って出てくるけど、この線幅が最重要パラメータなのだ。要するに1umのゲートのトランジスタを作りたいとして、ターゲットを1umにして、そのスペックを±0.1umなんてことに設定すると、現像が終わったあとに線幅測定をする。そしてそのスペックの範囲に入ってないと、もう一回やり直しとか、なるわけだ。しかし、これは一般的に全数検査じゃないので、それをすり抜けてエッチングまで行ってしまうと、もう直しようがないので、その段階でNGとなる。ようは捨てちゃうわけ。ウェハーって1枚何万円もするから、捨てなくてもいいようにしょっちゅう線幅とか膜厚とかを測定しながらチェックするわけだ。

まあ、この辺の話は、もっと詳しく説明する必要があるのだが、おいおい説明するとしよう。

この現像までのPhoto工程で重要なのは線幅制御とパターンがちゃんとウェハー表面までぬけて出来ているということだ。パターンがちゃんと抜けるかという問題は後半の工程に多い。

配線のAl工程以降になるとそれまでの加工の段差が積み重なって山と谷がきついので、前にも触れたようにレジストの膜厚を厚くしてちゃんとレジストがカバーするようにするんだけど、これらの工程では露光時間を長くしたりしないと、レジストがちゃんと現像されないので(ポジの場合)、他の工程より時間がかかって大変だったりする。現像不足が起こりやすいのもこの後半の工程である。

ざっとこんなところだろう。これでPhotolitho工程はほぼ終わりだ。次は何だろう?そうだそうだ、Wellインプラのところから続いたんだから、次はインプラの話だ。これも結構面倒だ。
posted by ピッコロ大魔王 at 09:41| Comment(5) | TrackBack(0) | Photolitho | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。はじめまして。
自分は半導体技術者やっております。
これだけ本格的に半導体プロセスについて解説したblogは面白いですね。
自分は修行中なので、blogで解説するほどにはいたっておりませんが・・
リンク張らせてください。
よろしくお願いします。
Posted by ちぶさん at 2004年05月08日 18:02
ちぶさんさま
リンクを貼っていただいてどうもありがとうございます。当時は製造現場ではそれなりに役に立つエンジニアでしたが、20代の後半では俗に言うFabManagerというようなことをやらされており、さらに家庭の事情で子育て主夫のようなことを5年ほど前からやっているという状況で、現役から離れて久しく技術的には完全に止まっています。その辺のところを考慮に入れて、間違っていてもあまり責めないでください。でも、自分でも驚いているのですが、結構覚えているもんです。
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年05月08日 21:06
自分は、デバイスエンジニアといいながら、デバイスプロセスより、レイアウトや、回路に近い部分を研究している人間なので、恥ずかしながらプロセスにあまり詳しくはないです。
教科書的なものはもちろん読んではいますが、このように実感を混ぜながら解説しているものは、非常に面白いですね。
 自分ももっと経験をつんだら、技術解説のBlogでもしようかしら。ただ、会社にいる立場だと、業務との絡みのある技術はあまり書けないですね・・・
Posted by ちぶさん at 2004年05月09日 00:26
はじめまして yukiyaと申します。

FWD ORG の意味についてとDrip removal稼動の意義
(役割)について教えてください。
何卒、よろしくお願いします。
Posted by yukiya at 2007年07月28日 12:44
Mailaddress表記を忘れてました。
Posted by yukiya at 2007年07月28日 12:46
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