2004年04月28日

Photolitho工程

今回から数回パターン加工の要、Photolitho工程の話になると思う。めんどくさいから今後はPhoto工程と書く。

Photo工程は大きく分けて、3つに分かれる。レジスト塗布、露光、現像の3つである。レジスト塗布のことを一般にResisit Coatingと呼んでいて、その装置のことを、Coater(コーター)という。露光は、一般の人でももしかしたら知っているのではないかと思われるほど有名な、Stepper(ステッパー)という装置で行う。昔は、Aligner(アライナー)とかProjection Aligner(プロジェクションアライナー)などと呼ばれる装置も使っていたが、今ではほとんどがStepperだろう。現像はDevelop(デベロップ)といい、略してDepe(デベ)などと現場では呼ぶ。その装置のことをDevelopper(デベロッパー)という。

まずはCoatingから。ウェハープロセスのパターン加工には、写真技術と同じ原理を使っていると前回述べたが、その写真のフィルムに値するものが、レジスト(Resist)と呼ばれるものである。このレジストは、有機溶剤でできていて、かなりくさい。だから、Coaterのある部屋にあまり長くいると、くらくらしてくる。

レジストに関しては、これまたそれだけで一大分野ができているぐらいなので、細かい組成や材料や反応の仕組みなどは専門書などで勉強してもらいたい。何せ、化学会社が一手に引き受けて作っているほどなので、詳しくやればそれほど専門的なのだ。ちなみに東京応化とかで検索すると日本語で詳しいのも出てるかも。ということで、基本的なところだけを述べる。

まず、最初に言っておかなければならないのは、ネガとポジの話だろう。レジストには写真と同じようにネガとポジがある。そもそもレジストというのは光が当たると感光して、化学変化により状態が変化することを利用して、パターンを形成している。ネガというのは、現像すると光の当たった部分が残り、光の当たっていない部分が溶けてなくなるという性質を持っている。これに対してポジの場合は、現像すると光の当たった部分が溶けてなくなり、光の当たっていない部分が残るという性質を持っている。

通常、露光というのは、ガラスマスクという回路パターンが書かれているものを使って、光の当たる部分や、あたらない部分をわけている。ネガとポジの分かりやすい仕組みを、ガラスマスクも含めた以下の図で示す。

ポジネガ

この図を見ると、ネガとポジでパターンがでんぐり返るのがイメージとしてよく分かるであろう。同じマスクを使い、まさにNegative(ネガ)とPositive(ポジ)に分かれている。このネガとポジの違いがまずResistの最初の重要ポイントである。

このネガとポジの違いによって、特徴がある。ネガの場合で考えてみよう。先ほどの図で、光の当たる当たらないの境界線がある。これは実際の回路パターンとしては、四角いパターンの1辺だったりする。これをパターン中心に考えて4角形の島を作りたいとする。こういうのを残しパターンという(逆は抜きパターン)。実はウェハープロセスの回路パターンとしては、残しパターンのほうがトランジスタの作製に重要なものが多い。

で、残しパターンをネガでやると、残したい部分に光を当てることになる。その4角形はある大きさを狙って作ってあるのだが、光が当たらない部分が溶けるとなると、うまーくレジストの上から下まできれいに光が当たってくれないと、外側が余計に削れてしまう。そうすると4角形の大きさが狙ったのよりも小さくなってしまう。

逆に、ポジの場合は、光が当たったところだけを溶かして取り除くので、しっかり光を当てないと、4角形は狙った大きさよりも小さくなってしまう。こういう性質があるのだ。
ちなみに、光を当てすぎるとオーバー露光、光を当て足りないとアンダー露光という。

半導体の初期のころは、ネガしかなくて、微細加工が必要になるとポジがでてきて、ポジが主流になった。でも、その後いろいろ改善されて、今ではネガでも十分微細加工に使えるのではないだろうか。ただ10年前ぐらいの知識で止まっている人間としては、どうしてもポジのほうがネガより優れているという感覚はぬぐえない。でも、回路上の要求とプロセスステップ上どうしてもネガじゃないとできないとかいうのもあるから、一概には言えなかったけど。

ちょっと長くなったので次回に続く。次もダイ入りレジストとか、光源の波長との関係とか、Coaterの装置でやるプロセスの話をする。
posted by ピッコロ大魔王 at 10:29| Comment(3) | TrackBack(0) | Photolitho | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
半導体フォトリソプロセス担当のものです。みなさんはプロセス条件を出す際に、パラーメーターが多いと思うのですが多変量解析はどのようにしてやりますか?JMP解析や、データ解析法など
なかなか使い方が難しいですね。初心者でもわかるような、それでいて実践的な参考書などがあったらぜひ教えていただきたいです。


Posted by ogo at 2004年07月29日 22:49
ogo様

返事が遅れてすみません。

プロセス条件の多変量解析は、いろいろやり方があるようですが、どうもこれといった参考書はないですねえ。よくQCだとかのセミナーをやっているようなところが、一般的な解析の教科書的なものを出していますが、そういったものを利用して、個々の工場で独自に考えているのではないでしょうか?

どなたか知っている人はいませんかねえ。
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年08月24日 11:17
ごぶさたしております。最近フォトリソでも液浸という技術でNAをあげて解像度を高める技術がでてきましたが、もともとこのアイデアはどこのステッパーメーカーが最初だったのでしょうか?
またレンズとウエハーの間に水を入れてNAをあげるという方法はレジストにも直接水が接するということなのでしょうか?
Posted by ogo at 2005年03月28日 22:23
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