2004年04月21日

ウェハープロセス

いよいよ、ウェハー上にトランジスタを作るときの詳細説明を始めよう。

以下の図を見てね。

InitailOx

ここでは、まずPタイプのウェハーを使うことにする。まあ、今では、世の中一般に、PタイプつまりB(ボロン)を入れた、HoleがキャリアとなるP型不純物半導体のウェハーを使うことが多い。これをPsub(Substraite:基板)とする。その後酸化膜をつける。

酸化膜をつける前には、洗浄工程といって、半導体がごみを嫌うために、一生懸命洗浄する。それは、H2O2とH2SO4の混合液体の硫酸加水と呼ばれるものだったり、SC-1と呼ばれるNH4OH:H2O2:H2Oの組成の洗浄液(比率は半導体会社や工場によって違ったりする)や、SC-2と呼ばれるHCl:H2O2:H2Oの組成の洗浄液を使ってウェハーをきれいにする。これらの洗浄液の順序や組み合わせ方は会社や工場によって違うと思う。

そして、洗浄後にはスピンドライヤーとかいう装置でくるくる回して、水分を飛ばして高速乾燥させる。そうしないと、熱工程に入って水が残っていたりすると、水が酸化膜の基として成長してしまい、いろいろな問題を起こすからだ。これは後で述べよう。

さて、酸化膜を作る工程だが、これは酸化炉と呼ばれる炉に入れる。この最初の酸化膜を作る工程では、膜厚が1000Åぐらいなので、それほど速く酸化させる必要はないので、だいたい1000℃ぐらいの温度で、ドライ酸化をする。で、だいたい1時間ぐらいで酸化が終わるかな?(ドライ酸化の説明は次回)

その後、せっかくつけた、酸化膜をエッチングという工程で取り除いてしまう。この場合液体のエッチング液を使用し、NH4F:HF:H2Oといったフッ化アンモンの水溶液を使う。この比率は実はいろいろあって、使いたいエッチングレイト(Etching Rate:エッチング速度)によって変える。エッチングっていうのは、簡単に言えば削るって意味だし、液体をつかったエッチングのことをウェットエッチって呼ぶ。

今日示したここまでの工程は、ウェハーメーカーから買ったウェハーの表面を一度酸化して、変なごみとか表面のぼこぼこの段差とか余計な不純物を取り除くために行う。だからせっかく付けた酸化膜をすぐにとってしまうのだ。こうでもしないと、後々工程を重ねていくうちに、不具合が強調されてしまうのだ。半導体というのは非常にミクロな世界の話なので、そこまでやっても、最後まで行くころにはいろいろと問題が出てくる。

ここで一区切り。次は今回出てきた、酸化のちょっと詳しい話とウェットエッチのRateのちょっと詳しい話をしようかな。補足説明に脱線しながら進む。乾燥不足の話(IPAとかもね)と洗浄液の違いによる目的も。

しかし、商売でもないのにこんな講座やって、結構時間食って大変だなあ。本来なら、これで金取れるんだけど、まあそのうち考えよう。図を作るのが結構面倒だなあ。
posted by ピッコロ大魔王 at 21:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 酸化拡散 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
広範囲な説明を大変有難うございます。
多結晶太陽電池セル生産を行なってますが、共通点も多く感謝です。お金にもならずのようですが現役ではないのでしょうか?

加藤
Posted by kato kenzo at 2011年01月06日 16:16
CMOSとバイポーラでは原材料のSiウエハーは違うのでしょうか?
ウエハー自体は同じで、製造工程が違うのでしょうか?
Posted by 安部 晴久 at 2011年04月25日 18:18
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