2004年04月19日

インバータ2

週末お休みしている間、コメントが1個載っていた。
下流のほうもということだったが、下流とはトランジスタの物性とか、半導体プロセスのことかな。まあ、自分の場合、工場勤務の時には、プロセスとか製品のほうを見ていたので、回路は専門ではないが、教科書とは違った分かりやすさを目指して、いろいろ脱線しながら、メモしている。そのうち電流電圧特性とかPhotolithoとか拡散とかインプラなどの話も出てくるでしょう(続けばだけど)。

しかし、29歳から30歳ぐらいの時には工場の親分やらされていたから実務は短いし、もう会社を辞めて5年以上経っているので、記憶はあやふやで古い情報なので、これから勉強する人はちゃんとした本も読んだほうがよいでしょう。そこそこ頭の中には残っているもんだなあとは思いつつも、時々嘘書いてるかもしれないので。ちゃんと調べて書けばいいんだけど、ご気楽趣味的にはそこまでする気力はない。

さてさて、インバータの続きである。以下の図を見てもらいましょう。

CMOSインバータ詳細

これを見ると、前回のインバータの回路図と比べてよく分かると思う。これ、普通CMOSインバータって言うんだよね。なぜCMOSかというとComplementaly Metal Oxide Semiconductorだから。なんだか分からんって?Complementalyって日本語で言うと相補型って意味で、互いに補っているという意味(英語のつづりこれでよかったっけなあ?)。つまり、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタの両方を1つのウェハー上に作って使っているのを業界ではCMOS、CMOSと呼んでいるわけ。ちなみに昔は、そういう技術がなくて、NMOSだけとかPMOSだけとかのプロセスを使っていた。

CMOSインバータは、PMOSとNMOSのドレイン側をつないで、そこからOut(出力)端子をとり、NMOSのソース側(図の下側)をGndにつなぐ。そして、PMOSのソース側にVdd(電源電圧)の端子を出しておく。ゲートの端子はNMOSとPMOSのゲート電極を共通にして、そこがIn(入力)端子になる。

さて、ここからが動作説明なのだが、仮にVin(入力)を5V、Vddを5V、PMOSトランジスタのVthを-3V、NMOSトランジスタのVthを3Vとしてみよう。論理回路的には、Vinにかける電圧が5Vのときは1でハイになり、0V(つまり電圧をかけていない入力ゼロの時)のときは0でロウになる。

まず、Vinが5VのときにそれぞれPMOSトランジスタとNMOSトランジスタの動きがどうなるか。Vddは常に電圧かかりっぱなしで、5Vかかっている。PMOSは単体で見たときに、ソースに5V、ゲートに5Vかかっていることになる(Ps、PdはそれぞれPMOSのソースとドレインね)。PMOSトランジスタがONになるためには、トランジスタのソースを基準にしてゲートの電圧がVthを超えればよい(PMOSの場合マイナス側に絶対値として超える)。この場合、ソースが5Vでゲートが5Vなので電位差はなく、PMOSのゲートは基板にたいして0Vということになり、ONしない。ここで、大事なのはVss(ソースの電圧)が基板電圧として設定してあるという点だ。このインバータでよく分からなくなってしまう典型的なパターンは、PMOSっていうとゲートにマイナス、ドレインにもマイナスかけるとONするって思っているために、動作が分からなくなるというパターンだ。

同じように、NMOSを見てみる。この場合、ゲートに5VでVss(ソースの電圧)はGndで0Vなので、電位差は5VになりNMOSのVthである3Vを軽く超えている。だからNMOSはONすることになる。

すると、どうであろう、ゲートに5V電圧をかけると、PMOSはうんともすんともいわないが、NMOSはONするということになる。で結果的には、NMOSはトランジスタのチャネル部分(電気の通り道)のわずかな抵抗があるだけで、ただの小さい抵抗の銅線と同じになる。するとGndの電圧がVoutの場所に出てくることになる。

あら不思議、Vinに5Vかけてハイの信号だったのがVoutでは0Vのロウの信号にでんぐり返っている。
ちなみに、このときNMOSのドレイン側に何Vかかっているんだろう、なんて考えるとわけ分からなくなるので、そこは無視。

長くなったので、逆の0V入力は次。
posted by ピッコロ大魔王 at 11:37| Comment(7) | TrackBack(0) | 回路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

>Complimentaly Metal Oxside Silicon

 MOSのSはSilicon だったり、Semiconductorだったり
文献によって違うのでしょうか。
Posted by 通りすがり at 2004年10月01日 19:39

>Photlitho

 フォトリソグラフィでしたらPhotolithoでしょうか。
 別のことをさしていたらすみません。
Posted by 一見さん at 2004年10月01日 19:49

>なぜCMOSかというとComplimentaly Metal Oxside 

オキサイド(酸化物)はOxide、コンプリメンタリは、Complementary かも。

 complimentaryは、「称賛の」、「挨拶の」という意味のようです。

Posted by あ at 2004年10月01日 20:32
通りすがり様
Sは普通Siliconだと思うのですが。Semiconductorではないと思います。化合物半導体などでSを使うものがあるとすればSemiconductorの可能性もありますが、聞いたことありません。

一見様
その通りです。ピッコロのミスタイプです。

あ様
これもその通りです。長らく離れていて、辞書もひかないで書いているのでところどころこういうミスがあります。
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年10月02日 17:40

>Sは普通Siliconだと思うのですが。Semiconductorではないと思います。化合物半導体などでSを使うものがあるとすればSemiconductorの可能性もありますが、聞いたことありません。

 ご参考

 どっちかというと、CMOSのSはSemiconductorの略を意味するほうが多いようです。Siliconだと、あまりにも広範囲すぎますし。

 http://yougo.ascii24.com/gh/30/003057.html
 http://e-words.jp/w/CMOS.html
 http://www.nifty.com/webapp/digitalword/word/030/03057.htm

http://computers.yahoo.co.jp/dict/semicon/basic/element/203.html

http://www.ff-net.ne.jp/ffwords.cgi?c3

http://www.x-media.co.jp/jiten/index.cfm?ID=909&KENSAKU=MIDASHIGO&TOIAWASE=MOS

http://www.pc-view.net/Help/manual/1166.html

http://www.pcgate.jp/pc/dictionary/C/CMOS.htm
http://ew.solution-next.com/w/CMOS.html
Posted by い at 2004年10月11日 22:50
い様

おーそうでしたか。情報どうもありがとうございます。

ピッコロは長年ずーっとSiliconだとばかり思い勘違いしていました。

言われてみれば、Metal、Oxideなどの種類を表す言葉に、半導体という種類を表すSemiconductorを使うっていうのが自然ですよね。
ということはMISのSもそうなのか。

本文中も直しておきます。
Posted by ピッコロ大魔王 at 2004年10月12日 09:25
私もMOSのSはSemiconductorの意だと思っておりましたが、MIS(Metal Insulator Semiconductor)の一例であるMOSは狭義で捉えた場合、Siliconのほうがわかりや
すいかもしれませんね。

ちなみに化合物でもこの構造はとることがあります。
Posted by まぁくん at 2004年10月13日 14:13
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