2004年07月06日

移動度

まず、ちぶろぐ様が初トラックバックをしてくれました。どうもありがとうございます。でも、いまだにトラックバックがよくわからないピッコロです。トラックバック先の記事に行っても素記事のリンクとかがあるわけではないんですね。この辺が良く分からない。

さて、今回からドリフト電流について述べるが、とりあえず牛歩で進むので移動度の話から。

電子とHoleの両方についてやらなければいけないのだが、ほぼ同じ考えで裏返しの話なので、電子を例に話を進める。

普段半導体の中の自由電子は熱運動(ブラウン運動のようなもの)であっちこっち移動しているのだが、ランダムな動きなので巨視的に見て平均を取ると移動してないように見える。

それに対して、電界のある場合にはちょっと違った挙動が起こる。電解があると電子は−qEって力を受けて電界の逆方向に引っぱられる。ほっとけばこの電界によって電子が加速されるので、速度はぐんぐん上がるはずだが、実際はドナーやアクセプタという不純物原子などにぶつかるのを繰り返すから電界に依存(比例)した平均速度になる。この様子を以下の図に示した。

移動度

この左上の図が電界による電子の挙動である。でもって、電界から電子に与えられる力と運動量の関係が下の式である。

ここにあるτは平均衝突時間というもので不純物原子などにぶつかる間の動いている時間の平均である。平均緩和時間と言うほうが一般的かもしれないが、衝突時間のほうがイメージしやすいと思うのでここでは衝突時間を使う。

また、vはドリフト速度と呼ばれるもので、電界によって生じた速度成分である。なんでこんなふうに分けるかというと、上にも述べたようにもともと熱運動などによる速度成分もあるからである。

そして、この式をvについてといてみると、その下の式になる。このときのEの前にある部分をまとめてμとして、これを移動度という。昔は移動度じゃなくて易動度なんて呼んでたような気もする。どっちかというと易動度のほうがイメージとしては良いかもしれない。動きやすさって感じだからね。

移動度ってのは半導体材料が決まると決まってくるパラメータで、Siの場合電子の移動度のほうがHoleの移動度よりも高い(はず)。800に対する500ぐらいの違いだっけなあ?300だっけなあ?忘れちゃった。

高速処理をしなければならないようなデバイスは高移動度のほうが処理速度が上がってよろしい。例えば衛星放送のパラボラ系に使われているHEMTなんてのは化合物半導体で作った高移動度のデバイスだ。なんせ名前がHigh Electron Mobility TransistorでHEMTだから。こいつはかの有名な三村さんという人が開発したものだ。

とまあ、こんな感じのを移動度という。今後MOSトランジスタの話などにも頻繁に出てくるので、よく覚えておいたほうが良い。

今回はここまで、次回はドリフト電流そのものの話。
posted by ピッコロ大魔王 at 09:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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