2004年07月05日

不純物半導体のキャリア濃度

前回の続きで、不純物半導体のキャリア濃度の話をする。

前回、質量作用の法則を説明したが、電子濃度とHole濃度を掛け算したものが一定なら、そこから不純物半導体のキャリア濃度がもとめられる。

まずn型半導体の場合。
この場合、電子の濃度っていうのはドナーの濃度とほぼ同じになる。なぜなら、真性半導体の電子とHoleの濃度がそれぞれ10の10乗オーダーのレベルだとすると、不純物半導体に注入されている不純物濃度はそれよりも少なくとも5桁ぐらいは大きいからだ。

だから、このときの電子濃度はもともと真性半導体の時にあった濃度などは無視されて、ドナーの濃度がそのまま電子濃度と考えればよいのだ。そして、普通不純物半導体では極性を決めているたくさんあるキャリア(n型の場合は電子、p型の場合はHole)のことを多数キャリアと呼ぶ。

一方いくらn型半導体だとはいえHoleが全くないわけではない。ここが初心者の勘違いしやすいところであるが、オーダー的には多数キャリアと比すれば無視できるほどだが存在しているのは事実だ。こういうキャリアのことを少数キャリアと呼び、n型ではHole、p型では電子が少数キャリアになる。

n型半導体の少数キャリアのもとめ方は、質量作用の法則を利用する。つまり、pn=ni2という式からpをもとめるわけだが、nの代わりにドナー濃度を入れてやれば既知の数字からHole濃度を得ることができる。ni2をドナー濃度で割れば良いわけね。

p型半導体の場合も全く同じに考えて、今度はドナー濃度ではなくてアクセプタ濃度を使う。

この関係を下の式に簡単に表す。

不純物半導体キャリア密度

テキスト書きだとサフィックスがうまくつけられないので、上のように図示しないとうまく表示できない。

ここで電子やHoleのn、pの右下にまたn、pがついているが、これは「n型半導体の」とか「p型半導体の」といった意味である。まあ要するにnにnがついていたり、pにpがついていたりすれば、多数キャリアってことになり、反対にサフィックスが逆極性であれば少数キャリアってことになり、分かりやすいわけだ。

ここで重要なのは、不純物濃度で多数キャリアが決まるってこともそうだが、実は少数キャリアってのが存在していて、さらに数的には無視できるほど桁違いに少ないってことだ。

例えばS/Dの濃度などは18乗とか19乗に近かったりするわけだが、そうすると少数キャリアなんて、単純計算すれば100のオーダーにしかならない。それほど少ないのだ。基板濃度やWellの濃度なども15乗とか16乗はあるのでそれでも十分少数キャリアが少ないことが分かる。

でも、バイポーラトランジスタなどが特にそうだが、PNダイオードなどでもこの少数キャリアの挙動が動作の仕組みに大きく影響してくるのだ。

とまあ、こんな具合で今回は終了。ほんとはキャリア密度をポテンシャル表示するなんてのもあるんだけど、それはちょっと考えれば分かることなので省略して、次回はドリフト電流か拡散電流の説明。
posted by ピッコロ大魔王 at 09:38| Comment(0) | TrackBack(1) | 物理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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