2004年04月19日

インバータ続き

今日はあんまり酔っ払ってないので、2度目の投稿。でも、少し気持ちよくなっている。

さて、入力が0Vの場合だ。Vinが0Vの場合、まずPMOSがどうなるかだ。ゲート電圧が0Vで、Vddであるソース電圧が5Vになっている。前回少し説明したのと同じように、ソースは基板電圧と同じになるようにしてあるので、基板(ソース)から見るとゲートは-5Vになっている。ということは前回設定したPMOSのVthである-3Vを絶対値で軽く上回っていることになる。ということは、PMOSがONするってことだ。ちなみに、このときPMOSのドレイン電圧(Vd)がいくつなんてのは、前回のNMOSがONのときと同じで考えない。こんがらがるからね。

一方、NMOSのほうはどうであろう。ゲートが0V、Vs(ソース電圧)もGndで0Vになっている。これじゃあ、基板に対してゲート電圧は0Vと0Vで電位差がなくて、NMOSのVthである3Vにはるか及ばない。ということで、NMOSは入力電圧が0Vではうんともすんとも言わない。

で、PMOS、NMOSこれ二つをあわせてみるとどういうことになるか。PMOSは入力電圧ゼロでON、NMOSは入力電圧ゼロでOFF。これは前回の入力5Vのときと同じように考えると、PMOS側がONしているわけだから、このPMOSトランジスタのチャネル(電流の通り道)部分がPタイプに反転して(Holeの通り道ができる)電流が通ることになる。そしてこの場合もチャネル部分のわずかな抵抗があるだけで、V=IRの電圧降下分を差し引いた電圧がVoutに出ることになる。

前回は長くなったので詳しくは説明しなかったが、今回の場合でちょっと説明しよう。V=IRでRがむちゃくちゃ小さいとすれば、その電圧降下はわずかだ。Vddに5Vかかっているとしても、PMOSがONしたときのそこを電流が通るときの抵抗がむちゃくちゃ小さいとすれば、トランジスタでの電圧降下はごくわずかということになる。例えば、0.000001Vなんてことになると、実際の電圧効果を差し引いたVoutの電圧は5V-0.000001V=4.999999Vってことになりほぼ5Vってことになる。

いやー、おもしろいねえ。今の話を全体的に見るとどうなるか。つまり、Vinが0Vの時には、PMOSはONになって、NMOSはうんともすんとも言わない。するとVinで0Vというロウの信号を入れたのにVoutではほぼ5Vのハイって言う信号が出てくる。
あらまあ、不思議。入力信号0(ロウ)が出力信号1(ハイ)にでんぐり返っている。

前回のNMOSがオンする場合と今回のPMOSがオンする場合をあわせると、これがCMOSインバータの動作ってことになる。これで、ちゃんと1が0、0が1っていう論理回路になったでしょ。

次は半導体のインバータのちょっとした補足。忘れないようにメモしておくと、抵抗とかNMOSだけを使った場合。
posted by ピッコロ大魔王 at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 回路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

インバータ2

週末お休みしている間、コメントが1個載っていた。
下流のほうもということだったが、下流とはトランジスタの物性とか、半導体プロセスのことかな。まあ、自分の場合、工場勤務の時には、プロセスとか製品のほうを見ていたので、回路は専門ではないが、教科書とは違った分かりやすさを目指して、いろいろ脱線しながら、メモしている。そのうち電流電圧特性とかPhotolithoとか拡散とかインプラなどの話も出てくるでしょう(続けばだけど)。

しかし、29歳から30歳ぐらいの時には工場の親分やらされていたから実務は短いし、もう会社を辞めて5年以上経っているので、記憶はあやふやで古い情報なので、これから勉強する人はちゃんとした本も読んだほうがよいでしょう。そこそこ頭の中には残っているもんだなあとは思いつつも、時々嘘書いてるかもしれないので。ちゃんと調べて書けばいいんだけど、ご気楽趣味的にはそこまでする気力はない。

さてさて、インバータの続きである。以下の図を見てもらいましょう。

CMOSインバータ詳細

これを見ると、前回のインバータの回路図と比べてよく分かると思う。これ、普通CMOSインバータって言うんだよね。なぜCMOSかというとComplementaly Metal Oxide Semiconductorだから。なんだか分からんって?Complementalyって日本語で言うと相補型って意味で、互いに補っているという意味(英語のつづりこれでよかったっけなあ?)。つまり、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタの両方を1つのウェハー上に作って使っているのを業界ではCMOS、CMOSと呼んでいるわけ。ちなみに昔は、そういう技術がなくて、NMOSだけとかPMOSだけとかのプロセスを使っていた。

CMOSインバータは、PMOSとNMOSのドレイン側をつないで、そこからOut(出力)端子をとり、NMOSのソース側(図の下側)をGndにつなぐ。そして、PMOSのソース側にVdd(電源電圧)の端子を出しておく。ゲートの端子はNMOSとPMOSのゲート電極を共通にして、そこがIn(入力)端子になる。

さて、ここからが動作説明なのだが、仮にVin(入力)を5V、Vddを5V、PMOSトランジスタのVthを-3V、NMOSトランジスタのVthを3Vとしてみよう。論理回路的には、Vinにかける電圧が5Vのときは1でハイになり、0V(つまり電圧をかけていない入力ゼロの時)のときは0でロウになる。

まず、Vinが5VのときにそれぞれPMOSトランジスタとNMOSトランジスタの動きがどうなるか。Vddは常に電圧かかりっぱなしで、5Vかかっている。PMOSは単体で見たときに、ソースに5V、ゲートに5Vかかっていることになる(Ps、PdはそれぞれPMOSのソースとドレインね)。PMOSトランジスタがONになるためには、トランジスタのソースを基準にしてゲートの電圧がVthを超えればよい(PMOSの場合マイナス側に絶対値として超える)。この場合、ソースが5Vでゲートが5Vなので電位差はなく、PMOSのゲートは基板にたいして0Vということになり、ONしない。ここで、大事なのはVss(ソースの電圧)が基板電圧として設定してあるという点だ。このインバータでよく分からなくなってしまう典型的なパターンは、PMOSっていうとゲートにマイナス、ドレインにもマイナスかけるとONするって思っているために、動作が分からなくなるというパターンだ。

同じように、NMOSを見てみる。この場合、ゲートに5VでVss(ソースの電圧)はGndで0Vなので、電位差は5VになりNMOSのVthである3Vを軽く超えている。だからNMOSはONすることになる。

すると、どうであろう、ゲートに5V電圧をかけると、PMOSはうんともすんともいわないが、NMOSはONするということになる。で結果的には、NMOSはトランジスタのチャネル部分(電気の通り道)のわずかな抵抗があるだけで、ただの小さい抵抗の銅線と同じになる。するとGndの電圧がVoutの場所に出てくることになる。

あら不思議、Vinに5Vかけてハイの信号だったのがVoutでは0Vのロウの信号にでんぐり返っている。
ちなみに、このときNMOSのドレイン側に何Vかかっているんだろう、なんて考えるとわけ分からなくなるので、そこは無視。

長くなったので、逆の0V入力は次。
posted by ピッコロ大魔王 at 11:37| Comment(7) | TrackBack(0) | 回路 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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