2004年04月13日

最小線幅

パソコンを少しいじっている人ならCPUなんて言葉は聞いたことがあると思うけど、今のIntelだとかAMDなどのCPUってものすごい小さいサイズのトランジスタでできているんだよね。

よく0.3μmルールだとか、0.15μmルールだとか言うけど、これって基本的にトランジスタのゲートの長さなんだよね。昨日の図のゲートの横幅のこと。これが一般的にプロセスルールだとか言うもの。昔は5μmとかだったのが、3μmになり、1μmになり、さらには0.8μm,
0.5μmなどと、どんどん線幅が短くなってきた。ちなみに1μmを下回ると、サブミクロン(ルール)などと呼び、0.5μmを下回るとディープサブミクロンなどと呼んでいる。

このルールを最小線幅ルールともいったりしていて、要するに加工する時の、そのときの装置の限界(もちろん大量生産に耐えうるマージンを持った限界だが)の精度によるものだ。よくシュリンクサイズなんて言葉も使ったりするが、これはある製品を例えば1μmで作っていたときに、設計していた設計図をそのまま半分に縮小して、0.5μmで作ったりするときに、50%シュリンクなんていう。(まあ、そのまま単純に設計図を縮小すればよいわけではなく、加工するプロセス的にもいろいろと条件をチューニングしないといけないけどね)

参考までに、サイズを小さくしていくときに比例縮小則ってのがあって、長さに反比例して不純物の濃度は濃くしないといけないってのもある。これは、そのうち説明するかもしれないけど、比例縮小則などで検索すれば、参考になるサイトが引っかかるんじゃないかな。

さてさて、何でこんなふうに、どんどんちっさくなっていくかというと、一つには同じものを作るのなら小さい線幅で作ったほうが、一つのチップのサイズは小さくなるのだから、当然1枚のウェハーから取れる、チップの総数は多くなるというのがある。そうすれば当然一個あたりのコストが下がるわけである。(厳密には、装置も新しいのに変えないといけなかったりするので、ぼろもうけとはいかないが、何十億、何百億というお金をかけても、後でちゃんと回収できるという計算の元にやっている)これと同じ理屈でウェハーのサイズをでかくするっていう手も使っている。今では300ミリウェハーなんて使っている。直径30cmの化け物ウェハーだ。

2つ目は製品としてのチップの総消費電力を抑えるという要求が消費者側からきているためである。よく低消費電力とかうたっているあれである。携帯型の要求が出たり、環境問題で節電の話が出たりである。どうしてそれが、ルールの縮小と関係があるかというと、トランジスタがONになっているときの電力消費量がトランジスタのサイズが小さいほうが少なくなるって理由からなのだ。
でも、小さくしてもいっぱいトランジスタ乗っけたら同じなんだけどね。
実は電源電圧を小さくできるってことのほうがポイントかな。

ここで昨日のVthの話がからんでくる。例えばウォークマンみたいなものをみると(今はMDウォークマンかな)、基本的には単3か単4あたりの電池で動かないといけない。自分は持ってないからよく分からないけど、電池1本ですむとしたら、1.5V。2本なら3Vで全部回路が動作しないといけないことになる。もし、トランジスタのVthが1.5Vだったら電池1本ではお手上げ。電池1本で動かすためには、せめてVthは1V未満でないとだめだろう。結局この場合電源電圧を1.5Vにして動かせるものを作るためには、Vthを十分マージンを持って作りこまないといけない。

でも、ここで注意しなければならないのは、同じプロセスで作るとしたら、製造の誤差範囲が±0.3Vのときに、Vthが3Vの場合には±10%となりVthが1Vの場合±30%となることだ。1Vを狙って0.7Vから1.3Vの範囲では回路の動作の安定としてはちと厳しい。まあ、回路設計するときにそのぐらいのことは想定していて、十分にマージンはとってるのだが、当然ぶれの比率がでかいということは、誤差範囲をはみ出る比率もでかくなる。

こんな場合も、もう少し精度のよい細い線幅のプロセスルールを使えば安定してコントロールできるようになったりするわけだ。まあ、プロセスの制御もそれにつれてシビアにはなるけどね。

多少正確ではないがこんなところだろう。Vthがらみの初歩の話はこの程度かな。続く。
posted by ピッコロ大魔王 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | デバイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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